おカネ学株式会社の お知らせ情報
2022年6月7日・8日にS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス主催
『第14回ETFコンファレンス』が開催されました。
1日目の6月7日ではパネルディスカッションに弊社代表が登壇いたしました。
パネルディスカッションでの安東隆司コメントの要旨を公開します。
以前参加した第11回ETFコンファレンスの模様はこちら
アジア圏最大の国際的学術会議、第11回ETFコンファレンス出展時の模様
RIA というのは Registered Investment Adviser のことです。
登録された 投資の アドバイザー という意味で職業名称です。
日本では 投資助言・代理業 の登録を受けている者がこれに当たります。
金融商品の販売者でなく、アドバイスに特化しています。
商品販売の手数料を受けとらないので、コスト高の商品を勧める必要がありません。
低コストのETFであったり、株式といった中立な商品選択が可能です。
また、フィーベース型という報酬体系を採用する事業者もあります。
契約した残高× 例えば1%程度の年間の報酬を受け取る形です。
これは利益相反が少ない形です。
IFA金融商品仲介業者のほとんどは、証券会社から収益の一部を受け取っています。
ファンドラップで、コストの高いファンドを使って運用すると、
その収益の一部を受け取る形です。
販売者は高いコストの商品で運用してもらうとキックバックで潤う形です。
RIAの場合は証券会社の収益を受け取りません。
キックバックを受け取りません。
お客様の資産が増えるアドバイスが最優先です。
お客様の資産が増えると、RIAの投資顧問報酬も増える形です。
お客様とWIN-WINの関係が築ける、ハイレベルな顧客本位を実現しています。
腕の良い弁護士の顧問料は高くない という話です。
2022年5月に金融商品取引法が改正となり、クーリングオフ制度がインターネットを通じて行える内容に変わりました。
この変更に対して、投資助言業者は契約締結前交付書面、契約書を改定する必要がありましたし、財務局に業務内容の変更の届出が必要でした。
この手続きをミスなく行うのはかなり大変でした。
我々(RIA JAPAN)が素早く目的を達成できたのは、
自分が持っていない
知識、知恵、経験を顧問契約によって入手したから
です。
顧問契約していても、毎日毎日弁護士先生に質問するわけではありません。しかし大事な時の判断で迷わないためにも、長期にわたる顧問契約が必要だと思います。
大事なお金の運用を相談するのですから、年1%程度の投資顧問料は決して高くないと思います。
ファンドラップに対する助言は事実上の販売かもしれません。
お客様思いの投資助言業者ならば、助言を行う時に、コストの安いETFや株式を使います。わざわざコストの高いファンドを使って、その収益の一部を受け取る形は事実上販売者の立場の助言者とも考えられるのではないでしょうか。
良い投資助言業者を見分けるポイントは]
・無登録業者でないこと
・顧客にとって最も有利と思われる商品選択ができること
・銀行や証券、保険の系列の場合は、自社ブランドのファンドを運用に用いないこと
・手数料を全面開示して、隠されたコストなどがないこと
・関連事業者で金融商品仲介業など行っていないこと
・助言を行うための十分な知識と経験を持っていること
・長期にわたり存続できるビジネスモデルを確立していること
重要な事柄は低コスト運用の実現できるアドバイザーだと思います。
運用業界では、アクティブ型運用から、低コストのインデックス運用に資金がシフトし続けています。いわゆるリーマンショック以後、コストの高いヘッジファンド運用などのアクティブ型運用を解約し、コストの安いインデックス運用に切り替えが進んでいます。その中でも特にETFに資金が集まっています。
ETFの本数は8829本、資産規模は約9.8兆ドル規模に成長しています。
しかし、このETFを用いたアドバイスをする人が日本には少ないのです。
理由は日本では 販売者の立場の人がほとんどで、販売者は販売者にとって収益があがりにくいETFを使うと自分が儲からないからという側面があるからです。
低コストの運用を実現する一つの方法がフィーベース体系でETFを使うRIAです。
お客様の資産が増えると、RIAの投資顧問報酬も増えます。RIAは低コストの運用を実現して、お客様の資産が増えると、RIAも潤うWIN-WINの関係です。
RIAは米国では 31,334事業者、一方日本では専業は408事業者しかありません。
金融庁の名簿では974事業者ですが、証券会社やファンド販売業者が助言業登録している場合を除くと408しかありません。
また、FXの助言業者も多いため、ETFや外国株式をツールとして、投資家の長期の資産運用のために低コストの運用を実現できるRIAが必要だと思います。
①RIAサービスの知名度向上が喫緊の課題です。
②RIAは収益性がIFAなどと比べて低いため、利用顧客の増大が必要です。
EB債の実質手数料は 実は8%~10%くらいあります。
RIAの報酬は1%~1.5%であれば、かなり安い水準だと私見では思います。
仕組債の1種でEB債は、いまやプライベートバンクだけでなく証券会社や、IFAが販売しているケースも増えています。
金融庁が2022年5月27に発表した
『資産運用業高度化プログレスレポート2022』によると、
EB債の実質コストは8-10%かかっているということです。
表面上のコストは平均して5~6%程度と推定されるのですが、
償還までが0.6年くらいと短いため実質コスト8%~10%かかって、
これを投資家が負担しています。
販売者が開示していない隠れコストはたくさん存在しています。
預けたお金から勝手に引かれているので、コスト意識が低いのです。
そして金融機関は実質コストがいくらかを開示していません。
この高いコストに気付いている投資家はどのくらいいるのでしょうか?
フィーベース型のRIAの場合は 隠されたコストは一切ありません。
証券会社からのキックバックの受け取りも禁止されています。
この手数料の全面開示によって、よりハイレベルな顧客本位を実現しています。
課題としては、このハイレベルな顧客本位のRIAサービスが知られていないことです。
アメリカでは アドバイザーと名乗れるのは、RIA登録をした者に限られているということです。これはSECのQ&Aに記載されている内容です。
アメリカでは販売者と、アドバイザーの区別があり、RIA登録していない者はアドバイザーと名乗ってはいけない、アドバイザー名称を使用すると、Regulation Best Interestの開示義務違反だと、というものです。
さらに、 RIA登録していないと、会社名称にもアドバイザーを使ってはいけないというルールがあります。
RIAと提携していても、ブローカー・ディーラーという販売者の立場の人は、会社名にアドバイザー名称を使ってはいけないという内容がこちらです。
RIA登録がない人の会社には、「○○アドバイザー」という会社名はREG BIの開示義務違反だと明記されています。
日本で自称アドバイザーが誤解を与えて投資家とのトラブルに発展しているケースの一例が仕組債です。
金融商品取引のトラブル解決機関であるFINMACから公表されている2020年・2021年の紛争あっせん件数を集計すると、全体の約41.33%が仕組債に関わるトラブルでした。
お客様思いのアドバイザーならば、多くの仕組み債やストラクチャード商品の設計がコスト高でリターンに見合わない場合が多いことを知っています。
ちなみに金融庁もプログレスレポート2022で
「EB債を購入する意義はほとんどない」
と記載しています。
日本のIFAは金融商品仲介業者で、アメリカではブローカー・ディーラーという職業分類です。要は販売業者でアメリカではアドバイザーと名乗っていないのです。
日本でも、販売者と、アドバイス専業の人の区別を、アメリカなどと同様にハッキリすべきだと思います。
RIAサービスを、いろいろな方々に利用してほしいと思います。
地方銀行さんや地域金融機関さん、百貨店さんなどの(お客様の)資産運用のアドバイザー提携相手として、RIAを検討してほしいです。
アメリカではRIA登録者が販売専業の人数よりも、もはや多くなっています。
コミッション型は狩猟ビジネス、フィーベース型は農耕ビジネスだと私は思います。
銀行さんや地銀さん、信用金庫さん、信用組合さんの融資ビジネスは狩猟型より農耕ビジネスに近いでしょう。
これらの金融機関にとって親和性の高く、よりハイレベルな顧客本位の業務運営が実現できるのはRIAビジネスだと信じて疑いません。
地方銀行さんや地域金融機関さん、百貨店さんにとって、RIAとの業務提携で、新たな収益機会獲得して、持続可能なビジネスモデルが実現できると思っています。